胡蝶蘭とは
開店祝いなどの華やかさを演出するお花の定番といえば、「胡蝶蘭」です。最も人気の高い洋ランで、和名では「胡蝶蘭」の名前で広く知れわたっています。花言葉をたどれば「幸運、幸運を運んでくる」という意味などもあることから、縁起のいいお花です。会社の設立祝い、開店祝い、開業祝いなど大切なお客様に贈る高価な贈り物の代表格といえます。凛とした花の姿が蝶が舞う姿に似ていることから、「胡蝶蘭」の名前の由来があるようです。
学名 | Phalaenopsis |
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分類 | ラン科ファレノプシス属 |
英名 | Moth Orchid |
和名 | 胡蝶蘭 |
原産地 | 台湾、フィリピン、インドネシアあたり |
越冬温度 | 10~15℃以上 |
花言葉 | 幸運が飛んでくる、幸運を運んでくる、あなたを愛す、清純 |
栽培カレンダー
胡蝶蘭の置き場所
お花をもらってから、送り主が来るまでのしばらくの間は、会社の受付まわりや、玄関、入口の近くに置くことが多いかと思います。その後は、できれば日当たりのよい窓際において管理してあげるのが生育的には望ましいでしょう。エアコンの風が当たる場所だけは避けてください。
ご自宅などで管理する場合は、風通しの悪いところや、極端に暑くなるところは避けて、人が普通に生活をしていて、居心地のよいところでお世話をしてあげるのが望ましいでしょう。
花が終わった翌年以降は、素焼きの鉢などに移し替えて屋外で成長させることが可能です。ある程度の遮光は必要とはなりますが、生育期の5月頃から、風通しのよい屋外に出し、株を大きくします。気温が寒くなる秋の終わりごろ、室内に入れます。できれば明るいところがよいでしょう。
冬季については、胡蝶蘭の株は、あまり寒さには強くないので要注意です。特に夜間の室温です。越冬温度は10~15℃といわれていますが、出来れば15~25℃程度が望ましいと言われています。
逆に、夏季は最大30℃を目安に、25℃を超えたら換気扇などで空気の入れ替えを行うようにしてあげます。
胡蝶蘭の水やり
置く場所や環境によっても異なりますが、ひとつの目安として、表面の水ゴケが乾いてから、霧吹きなどで潅水してあげるのが基本です。過湿はきらいます。
意外と気づきませんが、ギフト用の胡蝶蘭は、いくつかの株を寄せ植えにしています。1株ごとに潅水してあげることが必要です。
オフィスなどでは週に1度程度、暖房の入る冬季では週に1~2回程度、水ゴケを触ってみて確認してください。
冬季の間は、夜間、エアコンがきれて寒くなる環境の場所では、できれば水やりは日中の暖かい時間帯であげるのが望ましいでしょう。水が冷えて残ると、あまり胡蝶蘭にとってはよくないようです。
花が終わった翌年以降は、屋外に置いて株を成長させるのであれば、素焼きの鉢などに移し替えることをおすすめします。水やりについては、表面の水ゴケが乾いてから、鉢底から流れ出るまで、たっぷり与えます。水分の供給以外にも、水を与えると同時に鉢内の空気を押し出し、根の呼吸に必要な新しい酸素を送り込むこともポイントの1つです。
根は水分を求めて伸びていこうとします。常に湿っている状態では伸びていこうとはしません。乾燥と湿潤を繰り返し行うことが、根や株を成長させるコツです。
胡蝶蘭の施肥、害虫対策、植え替え、繁殖
施肥(肥料)については、生育期の5月ごろ、緩効性化成肥料(白い粒状のもの)を施してください。合わせて、秋までの間、月に2~3回液体肥料を施します。
害虫対策については、新芽や新根、開花前のつぼみがナメクジの食害に合わないように、注意が必要です。見つけたら薬剤を散布して駆除してください。梅雨時が特に注意が必要です。直接地面に置かず、少し高いところに置くのも一案です。
植え替えは、2年に1回が目安で、梅雨明けの初夏に行います。植え替え材料がよく乾くように、素焼きの鉢に植え替えます。4月ごろまでに咲き終わった花茎は、基部から3~4節程度残して、切り戻すと、3~6か月後にもう一度花を楽しむことができる場合があります。単茎性なので、通常は株分けはできません。稀に花茎に芽が出ることがあります。これを取って、増やすことができます。
ギフトでもらった胡蝶蘭の花が終わっても、また咲かすことは可能です。
お祝いとしていただく胡蝶蘭ですが、意外とお花が終わったら、捨てる人が多いようです。ここでは、植え替えなどの本格的なことは省くとしまして、オフィスなどで簡単にお花を咲かすコツだけをあげてみます。
- ポイント1
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胡蝶蘭の根や株は、多湿をきらう傾向にあり、通気性の良い生育環境を好みます。そのためラッピングなどの包装紙は外して、乾かし気味で育てます。
また、お祝いの胡蝶蘭はたいていの場合、釉薬(うわぐすり)を塗った化粧鉢に入れられているので、通気性に欠けます。可能であれば、通気性の良い、素焼きの鉢に移し替えることをおすすめします。 - ポイント2
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花が終わったら、茎の下から3~4節程度残し、その少し上で斜めに切ります。その後、やや乾燥気味で明るいところでお世話をしてあげれば、切った付近の茎から、新しい茎が出てきたりします。その部分にうまくいけば花が咲きます。ただし、2番花になるので、花数は、最初に咲いていたものよりも少なくなります。
成長の様子を観察するのも楽しいものです。
胡蝶蘭の植え替えにチャレンジされてはいかかでしょうか。
胡蝶蘭の花言葉には「幸運が飛んでくる」という意味があります。開花期間も長く、高価なお花でもありますし、ご縁のあるお花を再度咲かせてみてはいかがでしょうか。
ラッピングなどの包装を外せば分かりますが、お祝いなどのギフト用の胡蝶蘭は、たいていの場合、見栄えがするように株を化粧鉢に入れた状態となっています。そのままでは過湿になって、根腐れの原因となり、あまり適した生育環境ではない状態です。そのため、通気性の良い素焼きの鉢に、1株ずつに植え替える必要があります。
さまざまな植え替え方法はあるようですが、一例として以下に掲載しています。ご参考にしてください。
手順としては、植え替え用の素焼きの鉢、水ゴケを用意し、寄せ植えの状態を順番に解体していく流れとなります。
化粧鉢から根を抜き、古い水ゴケを取り除くと、根の状態が分かります。痛んでなければわずかな水ゴケを巻いて、素焼き鉢に植え込みます。水ゴケを巻き直すときは、水ゴケの繊維方向を縦方向にします。こうすると水の通りが一様になり、鉢の中の水分ムラをなくせます。
また、水分も停滞しにくいので、乾燥を好むランではポイントとなります。
植え替えが終わった後は、10日~2週間程度は水やりを控え、室内の明るいところで管理します。その後、水ゴケが乾いていたら、たっぷりと水を与えます。
植え替えは、暖かい5月頃が、適正時期です。
生育サイクルについて、胡蝶蘭はの開花は、通常、春~初夏です。ただし、ギフト用の胡蝶蘭は、開花時期をコントロールされているので、花が終わった後の次回の開花は未定であり、しばらくの間は不順になりやすい傾向にあります。